【京都】祇園・花見小路が「ホコテン」化、事故の恐れ「車がクラクションを鳴らしても観光客は動かない」

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　花街の風情が漂う京都市・祇園町南側地区の花見小路で、観光客が車両通行禁止区間の「歩行者天国」（ホコテン）と勘違いして歩くため、車との接触事故が起きかねない危険な状態が続いている。
紅葉狩りの季節を控え、外国人観光客の急増も予想されることから、東山署などは３０日、ピクトグラム（絵文字）入りの高札型標識を掲げ、歩行者に右側通行厳守を呼びかける。【中津川甫】

　「車がクラクションを鳴らしても、街並みを撮影している観光客は動かないから危ない」。花見小路から脇道に入った場所で料理屋を営む五十嵐克己さん（７５）は、歩行者の安全を心配する。
五十嵐さんら住民によると、２年以上前からアジア系の外国人観光客が増え、歩行者が花見小路を埋め尽くすような混雑が目立つという。

　場所は、花見小路の四条通南側から祇園甲部歌舞練場前付近までの南北約２５０メートル区間。石畳になっていて、「歩くだけで、はんなり心が和む祇園の一角」と紹介されている。
ただ幅員は約７メートルしかなく、横並びで歩く観光客に進路を塞がれいらだつ車の運転手や、立ち往生するタクシーなどが増えている。

　東山署幹部は「道が石畳だから、観光客がホコテンと思い込んでしまうのではないか」と推察する。

　署と地元の祇園町南側地区協議会、東山交通安全協会は、日本語、英語、中国語、韓国語で「道路の右側を歩いてください」と併記した高札型標識を製作。
絵文字のデザインは京都女子大生活デザイン研究所に依頼し、出井豊二副所長が担当した。沿道の４カ所に掲げる予定だ。

　出井副所長は「道路の中央を堂々と歩く人が多く、外国の人にも分かることを第一に考えた。車やバイクが通る場所なので、道を空けてもらえるようになればいい」と期待している。

　四条通南側の花見小路を巡っては２０１５年１２月、観光客のマナー違反が目立つとして、舞妓（まいこ）への接触▽自撮り棒使用▽路上の座り込み▽歩きながら飲食－－などをしないよう注意事項を絵文字で表した高札型標識も既に４カ所に設置している。

道いっぱいに広がる観光客らでタクシーの進路も塞がれがち＝京都市東山区の祇園町南側の花見小路で
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10月25日 11時36分)